腎障害・尿検査異常
1. 尿検査異常で来院したら…
蛋白尿、赤血球円柱⇒糸球体病変 蛋白尿のみ⇒糸球体基底膜病変 顕微鏡的血尿のみ⇒メサンギウム病変 電解質異常を伴う⇒間質病変の合併を疑う |
蛋白尿
※まずは慢性か急性かの判断
・過去に健診での異常の指摘の有無などいつ発症したかの確認
・腹部エコーで腎の大きさ確認(正常は10cm)
・尿蛋白定性に加え定量も測定する(尿蛋白÷尿Cr≒1日蛋白尿量)
・血液検査で、自己抗体、DMの有無、動脈硬化病変の有無(TBI・頚動脈エコーなど)を確認+家庭血圧確認
血尿
※まずは慢性か急性かの判断
・過去に健診での異常の指摘の有無などいつ発症したかの確認
・腹部エコーで腎の大きさ確認(正常は10cm)
・糸球体性か非糸球体性か⇒非糸球体性なら尿細胞診で悪性細胞の有無の確認!!
※変形赤血球の有無を確認する!!
・女性なら、月経中か確認する
・血液検査で、自己抗体など確認
(例:IgA/C3>3;IgA腎症疑う、ANCA陽性;ANCA関連腎炎を疑う⇒腎生検へ)
・上記の自己抗体など乏しい場合は1カ月後再診し、腎機能悪化ないか血尿程度悪化ないかを確認していく
※先天性腎疾患の可能性も考え、問診では家族歴、難聴、視力障害、低出生体重の有無を確認。
2. 腎機能障害で来院したら…
※尿検査と同様に、まずは急性・慢性の確認!
急激に悪化しているのか、慢性的にゆっくりと悪化しているのか確認。
※尿検査異常は過去に指摘されているのかを確認!
※シスタチンCも評価する
最低限確認すべき事
糖尿病の有無、血圧 /mmHg、下腿浮腫の有無
既往歴:甲状腺疾患の有無、心血管障害の有無
内服薬:サプリメントの有無、抗血小板剤・抗凝固薬の有無
家族歴:腎障害の有無
⇒上記を確認して、免疫関連も含めた血液検査、尿検査(定性、定量)、腹部エコー(腎のサイズ、形状、腎生検の可否、ナットクラッカー症候群などの血流障害の有無の確認)施行する。
※糸球体病変、糸球体基底膜病変、メサンギウム病変、間質病変の何れが病変の主座なのか考えて、腎生検が可能であれば腎生検を予定する⇒腎生検予定するなら、血算、出血時間、APTT、PT確認と抗血小板剤、抗凝固薬休薬する!
-ひとくちメモ- 血清Crと血清シスタチンC 血清Cr:食事や筋肉量、運動の影響を受ける 血清シスタチンC:食事や筋肉量、炎症、年齢、性差の影響を受ける |